何かと問題の多いサラ金。でもサラ金って何?

消費者向けの金融業者をサラ金と呼ぶ場合があります。ここう呼ぶ場合一般的にあまりいいイメージを持たれません。サラ金が問題になったのは、70年代から80年代全般頃、いわゆるバブル経済が始まる以前に一度ありました。そして90年代後半以降今度はバブル経済の崩壊以後またこのような業者からの借金が社会的に問題視されました。

さてこのサラ金とはどういうものか考えてみましょう。

現在消費者向けの金融業を行うものは大きく分けると、大手銀行系列、信販系、消費者金融系に分かれるとされます。大手銀行が消費者向けの金融に力を入れ始めたのは、近年の経済状況の悪化に伴い、これまでの企業向け金融から思わしい利益が上げられなくなったことが理由と考えられます。

また、消費者金融に対する金利等の規制が厳しくなり始めたことに伴い、経営が悪化した消費者金融の大手業者が銀行系列に入るということも起り始めました。こうなると消費者向け金融業者のどこまでをサラ金と呼ぶのか、その範囲があいまいになってきました。

また貸金業者も、サラ金問題が起こってからはサラ金という呼び名を嫌うようになり、消費者金融という呼び名を使うことを使うように努めてきたという経過もあります。

とかく問題となってきたのは、消費者金融の金利です。以前は消費者金融の金利は、出資法と利息制限法の2つの法律により上限が定められてきました。

2010年以前には出資法の金利の上限は、29.2%利息制限法の上限は100万円以上の場合20%とされてきました。このため、この2つの法律の上限の差の部分は、グレーゾーンとされ、一定の要件をみたす場合には29.2%金利がみなし弁済として認められることがありました。

しかし、2010年には出資法の金利の上限も20%まで引き下げられたため、それ以後の金利については此のグレーゾーンの問題は解消されたと言えます。

このように、金利に関しては、貸し手である貸金業者にとって厳しいものとなったわけですが、このことで貸金業者は貸し出しを行うことが以前に比べて苦しくなったわけでもあります。

このため、借手の側も借り入れが難しくなり、このことで逆に無登録のヤミ金業者のような、悪質な業者が活動する場を作り出しているという面も考えられます。

サラ金に伴う悪いイメージのもう一つに厳しい取り立てがあります。これについては、2007年に改正施行された貸金業法において、夜の9時から朝の8時までの時間帯の正当な理由のない自宅の訪問や電話は規制されています。訪問した場合にも退去を求められたときに退去しないことは禁止されています。また張り紙や立て看板による嫌がらせも規制の対象です。

このように、金利や取り立て行為において、借手を保護する制度が整備されてきています。しかし先にも述べましたが、このことで、貸金業者の方も貸し出しが難しくなり、借り入れのできない消費者が闇金融などの業者に頼ることになる事態も考えられるわけです。

サラ金の問題については、法律の改正により規制が厳しくなったと言えますが、ヤミ金の存在などのような、いまだに解決できていない問題が残っていると言えます。

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